作者:獅尾(著者)
1920年、上海。不安定な情勢のただ中で、新聞を熱心に読み耽る学生・志恩(しおん)は、一人の女性に声をかけられる。彼女の名は淑良(しゅりょう)。軍人の妻として日々を送る彼女は、教養ある志恩に手紙の代筆を頼んだのだった。交わる言葉をきっかけに、時にぶつかり合いながらも惹かれ合うふたり。だが、未来を約束できない現実と、避けられぬ時代のうねりが、ふたりの想いを切なく引き裂いていく――
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獅尾(著者)